fateシリーズ、というか作者である奈須きのこのファンである。氏の作品は派生作品まで全て網羅した。5年以上、もはやどっぷりと言って良い。多分もう、関連作品に何十万と落としているだろう。しかし全く後悔が無い。そのくらい好きである。
extraが一番好き。
fateシリーズ、もといTYPE-MOONがどんなチームかは各々調べて貰うとして。ふと思ったことがある。
"なぜ、自分は奈須きのこの作品に惹かれるのか?"
勿論、理由はたくさんある。可愛い、カッコいいキャラ、圧倒的な世界観、その他諸々。
しかし、それらはあくまで表面上の話。自分が一番惹かれる理由は別にある。それがコレだ。
「その人生が、機械的な物だったとしても?」
「ーああ。その人生が、偽善に満ちた物だったとしても。俺は、正義の味方を張り続ける」
奈須きのこの世界観は、否定から始まる。
例えば、正義の味方を目指した結果、無辜の民を虐殺するしか無くなった男。
例えば、片方の人格を無くし、夜の街を彷徨う元二重人格の少女。
例えば、殺人鬼として最高の才能を持つが、それを抑えて生きる少年。
まるで救いの無いキャラばかり
彼らは皆、各々の理由で、何かを否定し生きている。言わば、一度「終わった」人々だ。
そういったキャラクター達が、それでも譲れない物をかけて争う、というのが奈須きのこの主なストーリーだ。
大事なのはココ。世界をひたすらネガティブに、否定的に捉えても、尚そのキャラに残るものがある。
「終わり」の冷たさ、悲しさを受け止めて、それでも、そこに美しさを見出していく。
いつか終わるから、この一瞬は美しい。
変えられないから、その選択は尊い。
そしてそれを、氏のストーリーは全力で肯定するのだ。
人間は無価値で、最悪で、生きてる意味はまるで無い。それでも、全力で走ったのなら、何か残るものが必ずある。
要は、全力で人間を肯定しているのだ。だからこそ、TYPE-MOONのドラマは、多くの人を捉えて離さない。
一人一人の人間を、英雄と唄い上げる物語。それがTYPE-MOONの描く浪漫なのだ。
そこに自分は惹かれ続けている。