ドン底の未来で始まる、もう一つの人生。「サイバーパンク2077」感想

 

突然だが、実は俺は未来人だ2077年の世界からやってきた。

 

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この現代を生きる皆には信じられないようなことが、未来ではたくさん起こっている。

 

今日は、俺が体験してきた未来の話を、あなたに伝えようと思う。

 

...少し派手な話になるが、ついてきてほしい。

 

 

 

西暦、2077年。俺はとある大企業の社員だった。会社の名前は「アラサカ」...。聞いたことがない?そうだな、アンタたちの時代で例えるとGoogleってところか。

 

アラサカ社 ビル に対する画像結果

 

Googleね。インターネットが崩壊する以前、まだアメリカ合衆国があったころ、そんな企業があったそうだな。教科書でしか知らないが。

 

未来の歴史に興味があるんなら、この記事を読むといい。大体はここに書いてある。

 

プレイ前に読みたい「サイバーパンク2077」前史・徹底解説。英雄ジョニー・シルヴァーハンドの足跡から“暗黒の未来”を振り返る (4gamer.net)

 

 

歴史上の人物、ジョニー・シルヴァーハンド。

 

とにかく、俺はアラサカ社で成り上がることを目標にしていた。裏切り、策謀、暗殺...。2077年の企業っていうのは、まあ言ってしまえば形を変えた戦争だ。俺はうまくやっていた。そう思っていたが...「盛者必衰」。アラサカに古くから伝わる言葉に、例外はなかったらしい。

 

アラサカ本社からの眺め。

 

俺は上司から裏切られ、一夜にして家、財産、職業、この先に待っていたはずの栄光...そのすべてを失った。

 

生活の全てが企業IDに紐づけられている時代だ。企業競争に負けた人間に、人権なんてものはない。

 

ナイトシティ に対する画像結果

 

流れ着いたこの街....「ナイトシティ」。犯罪者が蔓延り、高い保険料を払ったもののみが医療や警察といったサービスを受けられる。底辺の労働者は路上で電子ドラッグに狂い、法律なんて機能しないこの街で、俺の第二の人生が始まった。

 

 

相棒のジャッキー・ウェルズ。

 

俺は相棒のジャッキーと共に、裏の仕事を請け負う傭兵になった。殺し、盗み、データの改ざん。生き残るためにはなんでもやった。知り合いのリパードクにサイバーウェアを改造してもらい、体にインプラントを埋め込んで、徹底的に己を改造した。

 

サイバーパンク2077 リパードク に対する画像結果

 

特技はハッキング。特にアラサカが絡む依頼は喜んでやった。思いあがったコーポどもに、俺の存在を刻み付けてやりたかったんだ。

 

ナイトシティ アラサカ社 に対する画像結果

 

依頼をこなし、行きつけのバーでしこたま酔っぱらう。そんな毎日を繰り返している中...その依頼は舞い込んできた。

 

依頼内容は、アラサカの最深部に保管された、あるチップを盗み出すこと。危険なミッションだが、相棒は引き受けたがった。ジャッキーには、「ナイトシティの伝説になる」っていう夢があったからだ。俺もアラサカが絡むなら断る気はない。俺たちはアラサカの本社に潜入し、見事チップを盗み出した...ように見えた。

 

 

 

警報が鳴り響き、シャッターが下りる。仲間のネットランナーがしくじったのか?それとも俺が何かミスをしたのか?とにかく、俺たちは部屋の壁に身を隠した。そこで見ちまったんだ。アラサカ社の社長...「ヨリノブ・アラサカ」を、その子供「サブロウ・アラサカ」が暗殺する瞬間を。

 

アラサカ社 ビル に対する画像結果

 

もう現場は大混乱だ。今目撃したもの、追われている現状。意を決してビルから飛び降りるも、俺たちは失敗した。ジャッキーは...助からなかった。

 

しかもチップは破損。最悪の状態だ。チップを守るためには、誰かの体内にインストールするしかなかった。それがさらなる厄介を引き込むことになるとは、夢にも思わなかった。...チップの名前は「RELIC」。

 

一命を取り留めた俺だが、その晩幻覚をみた。2013年の街で、俺がライブを開いている。声を張り上げ、ギターをかき鳴らし、「コーポをぶっ壊せ」と叫んでいる。これはなんだ?

 

ジョニーシルヴァーハンド ライブ に対する画像結果

 

場面が変わる。俺の身体はさっきのミュージシャンになっている。「ショータイムだ」俺は仲間と共にアラサカに乗り込み、爆弾を仕掛け、ビルを破壊した。...なにかがおかしい。これは俺の夢じゃない。そう思った。

 

目を覚ました俺に、リパードクが告げる。

 

サイバーパンク2077 リパードク に対する画像結果

 

「お前の命は、もう長くはない」

 

…何を言ってるんだ?

 

「お前がインストールしたチップには、ある男の記憶痕跡がインストールされていた。ジョニー・シルヴァーハンド...。伝説的バンド【SAMURAI】のメンバーにして、かつてアラサカ本社を爆破した、テロリストだ」

 

ジョニー?あのジョニー・シルヴァーハンド?でも彼はとっくに死んだはず...

 

「お前はこれから、徐々にジョニーに乗っ取られていく。記憶も意思も失い、行動さえ同じになっていくんだ」

 

おい、なんだそれは。俺はまだ何も成していない。こんなどん底で...死ぬ?俺が?

 

「生き残りたいなら、戦うしかない。あらゆる手段を使って、チップの謎を解き明かすんだ」

 

俺の人生をかけた、長い長い戦いが、ここから幕を開けた。

 

サイバーパンク 2077 ロゴ に対する画像結果

 

以上、サイバーパンク2077のプロローグを、物語風にまとめてみました。いかがだったでしょうか。なんとここまででプロローグ。本編はここから先が盛り上がる所だ。

 

もちろん、これはただのゲーム。しかし、精巧に作りこまれた街並み、世界観。そしてドラマチックな物語に、まるで自分がキャラクターと同じ人生を歩んでるような錯覚に陥るでしょう。少なくとも自分はそうだった。

 

...語り口を戻す。

 

サイバーパンクの世界は、ハッキリ言って終わっている。

 

サイバーパンク2077 ないとしていい に対する画像結果

 

企業がすべてを支配し、街にはネオンの広告が躍る。人々は誰も明日を望まず、腐り落ちていく世界を眺めている。

 

人体の改造は当たり前になり、命には大した価値がない。全てはデータで管理され、誰がどこで何をしているのか、全部つつぬけだ。

 

この未来の世界は、実は現実とそう変わらない。2023年の今だって、企業は大量の広告を打ち出し、「あなたの人生は不幸です。でも幸福になる方法があります。私たちの商品を買うことです」と毎日働きかけてくる。

 

「自分にしかできないこと」なんてなく、毎日を生きるだけでも精一杯。友人だと思っていた人が、実はただ自分を利用しようとしていただけ、なんて事もある。

 

理不尽な死もある。無情な争いもある。それは人類が生まれた時から変わらない。俺たちは地獄の中をもがき続けているだけだ。2077年になったとしても。

 

なのにどうして、この腐りきった街が、ナイトシティが、こんなにも愛しいのか。

 

それは、ここには仲間がいるからだ。共に悩み、苦しみ、もがいた。死んでしまうヤツもいた。街を離れるヤツも。一方で恋人や、戦友たちに出会えた。...ジョニー・シルヴァーハンドだって、君の選択次第では、そうなるかもしれない。

 

時代が変わり、場所が変わろうと、人の本質は変わらない。同じ価値観を共有する仲間たちと歩んでいくこと。例えその中で多くを失ったとしても、そういう人生は走り切った後に心から愛しく思える。

 

全てが発展しているからこそ、ナイトシティは、人の本質を浮き彫りにする。

 

発売当初こそバグだらけでまともに動かず、炎上した本作だが、度重なるアップデートで、紛れもない神作に変貌を遂げた。(それでもたまに止まるが。万全を期すならPCかPS5版をお勧めする。)

 

今回はコーポレートを自分は選んだが、他にも放浪者やスラム街といった、様々なバックボーンでキャラクターをメイクできる。育成もハッキングだけでなく、インファイトやアサシンなど、様々なスタイルで"仕事"をこなす事ができる。

 

正直、ここで語ったのは魅力の断片にすぎない。戦闘、グラフィック、キャラクター、どれをとっても一級品だ。ゲーム体験のレベルが高すぎて、まるで自分の人生かと錯覚する。だからこそ、今回のような語り口で記事を書くことにもなった。

 

サイバーパンク2077、興味のある方はぜひプレイしてみてください。一生忘れないゲームになるでしょう。

 

お付き合いいただきありがとうございました。

 

本作を基にしたアニメ、「サイバーパンク エッジランナーズ」もネットフリックスで公開中。本作と全く同じ世界、全く同じ街が舞台となっています。こちらも超面白いのでぜひ!