「嫌われる勇気」

「嫌われる勇気」は、アドラーという心理学の研究を、一人の青年と、老成した哲人が対談形式で語る一冊だ。例えばこんな感じ。

 

哲人 われわれが語り合うべきは、まさにこの一点、「これからどうするか」なのです。「悪いあの人」などいらない。「かわいそうなわたし」も必要ない。あなたがどんなに大きな声でそれを訴えても、私は聞き流すでしょう。

 

青年「こ、このひとでなしめ!!」

 

青年のセリフ回しがやや劇的なのが笑っちゃうが、この様に「アドラー心理学」の研究者である"哲人"と、その教えに反発する"青年"が論争を繰り広げていく。言わば、「物語小説」に近い構成だ。

なので、余り気負う事なく読める。青年には「立派な教育者となる」夢があり、アドラー心理学が如何に現場で役に立たないか、という事をまくしたてる。一方哲人は、その言葉一つ一つに真剣に答えを返していく。その果てに、どんな結論が待っているのか。ドラマとしての面白さに、ついついページを進めてしまう。

 

本当は具体的な内容まで紹介したいが、それはもう読んでもらったほうが早い。中古なら1000円するかしないかくらいだ。まあそれはおいておいて。

 

アドラーの心理学は、「他人に優しく、自分に厳しい」という点が大きな特徴。そして厳しさ故に、アドラーの時代には受け入れられなかった。

 

「やる気がなくなった」のではない。「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。

誰かが始めなければならない。他の人が協力的ではないとしても、それはあなたには関係がない。私の助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく。

 

↑はアドラー自身の言葉だが、つまるところ、「逃げんなボケ」と言ってるようなものだ。怖い事、辛い事、目を晒したい事から逃げるな、と。困難に立ちむかう「勇気」を持て、と。

 

例えば、学校を中退する。例えば、芸能界を目指す。役者になる、youtuberを目指す、転職する、脱サラする...etc。

 

現状を変えようとすると、必ず「お前には無理だ」「きっと失敗する」「このままでいいよ」という声が聞こえる。自分の中から。

 

それと戦うことを、アドラーは「勇気」と呼んでいるのだ。

 

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何度でもやりゃいい話だ。例え嫌われようと、失敗しようと、挑戦を続けたヤツが最強なのだ。