さて、今回はタイトル通り、1期前半戦を終えた「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の総括記事である。
毎週トレンド入りを果たしながら、圧倒的な面白さを見せている本作。
各キャラクターの動向と感想を振り返りながら、ここまでの展開を振り返っていく。
6話までのネタバレ注意!!読んだら二つ、手に入る、、、!
① スレッタ・マーキュリー
まずは主人公、スレッタから。ここまでのスレッタは、実に主人公らしい。
ほとんどのエピソードで何も知らされていないのでネタ画像まで作られてしまっているが、
実際ひどい目にあってばかりである。
①学園に到着したらいきなり決闘に巻き込まれ
②目立ちたくないのに勝利し浮いた存在になり
③なぜか実施試験で嫌がらせを受け
④気になっていた男の子にいきなり手の平を返され、鬱陶しいと罵られる
うん、こうやって書くとホント可哀そうだな、スレッタ、、
しかし、彼女は母から教わった「進めば二つ、逃げても一つ」の精神で困難に向かっていく、、、敵だったグエルくんはスレッタにベタ惚れになり、エラン君とも和解し、学園生活を徐々にエンジョイしていく、、、ミオリネも幸せ、視聴者も幸せ。わーい、ガンダム初の誰も死なない作品に、、、
なったらよかったのだが。
ネット上では以前より「エリクトはスレッタではないのではないか?(クローンや妹なのではないか?)」という説が流布していたが、
第六話にてヴァナディースの襲撃事件(0話のアレ)が21年前と断言されたことにより、「エリクトはスレッタと別人物」であることが確定した。(年齢がかみ合わない)。
にも拘らず、今作の変態仮面枠である母親プロスぺラは、過去にあった虐殺事件の事も、ガンダムの存在も何一つスレッタに伝えていない。
公式サイトの小説「ゆりかごの星」では、プロスペラ(エルノラ)が、スレッタを復讐の道具にしようとしていることが示唆されている。
そんなことは露知らず、スレッタは「学生生活をエンジョイしたい!」くらいのテンションでここまで来ている。
これ、めちゃくちゃ闇深な状況である。
水星の魔女では、「親と子供の対立構造」が押し出されている。
ミオリネとデリング、
グエルとヴィム、
そしてエランも、回想という形ではあるが母親との思い出(僅かではあったが...)が描かれた。
彼らにとって「親との対立」は既に目の前にある現実であり、立ち向かわねばならない壁として存在している。
が、スレッタは親に利用されている事に気付いてすらいない。いずれ来るであろう、「対立」の事を夢にさえ思っていないのである。
いやー、見事な脚本ですよ。前回の記事でガンダムがよりキャッチーに新規層を取り込みに来ている、と述べたが、「親との対立」ほど万人受けするテーマもあるまい。
最高の家庭にせよ最悪の家庭にせよ、親に疑問を抱き、衝突、ないしストレスを感じる瞬間は人生で必ずある。孤児でさえ、親の事を考えるだろう。人が人から生まれる以上、それは避けられない。
が、下手したらスレッタは人から生まれていない可能性すらある。
ED曲、「君よ、気高くあれ」の歌詞にはこうある。
誰もが縛り付けられてるみたいだ きっと重力に引かれてるせいだろって
仕方ないって 生きてく理由を殺してる
過去は時に君を捉え 夢は時に呪いになる 夢はかなえようとするほど 人は平等でないと知る
スレッタには必ず困難が待ち構えているだろう。それは我々視聴者の想像を上回るものに違いない。だからこそ、乗り込えていってほしい。「進めば二つ」と声にして。
②ミオリネ・レンブラン
さて、今作のヒロイン、もとい名言製造機ことミオリネ。
毎週「ダブスタクソおやじ」「ロミジュリる」「理解のある花嫁」と面白ワードを連発しているが、ミオリネ関連のエピソードは、実は最初の2話で触れられて以降一切進んでいない。(何なら父親であるデリングすら出てきていない。)なので大きく語れることがないのが現状だが、
めっちゃツンツンしながらも、大事なところでスレッタを励ましてくれるのはまさにパートナーと言わざる得ない。本人も自分が花嫁であることを毎話主張しているので、なんだかんだスレッタのことが好きなのだろう。みんなスレッタが好き。わたしも好き。あなたも好き。だがプロスペラ、テメーはダメだ。
ミオリネのキーワードは母の墓がある「地球」だ。そしてこのアド・ステラの世界では、宇宙に暮らす人々「スペーシアン」が地球人「アーシアン」を差別していることがかなりエグめに描かれている。
そして、ミオリネの目的地が地球である以上、スレッタ達も必ず地球に行くことになるだろう。(個人的にそのあたりは2期になる気がしている)学園という「檻」から、ただ一人逃げようとしている彼女。先ほどの「親との対立」に、誰よりも向き合っているキャラクターだろう。今後の動向に要注意だ。
③グエル・ジェターク
きゃー!グエル先輩!!好きです!!!!
この作品の面白さの50パーセントくらいを担う男、グエルくんである。
第1話こそコテコテの悪役として登場したが、2話では親父のクソっぷりに同情を集め、3話の突然の告白で面白キャラと化し、5話で
他の男に泣かされたヒロインの元に駆け付け、その涙を見て怒りの決闘を申し込む(正しくは申し込まれる)
というどこぞの道明寺司みたいなルートを爆進し、視聴者の好感度を欲しいままにしている。
かくいう私も、先週スレッタの元に駆け付けた時には「グエル君!!!好き!!!!」と拳を握り、今週「グエキャン△」を始めた時は思わず吹いた。もうどうあがいても面白愛されキャラだよ君は。
弟が腹違いであること、腕は滅茶苦茶良いのに毎度相手が悪すぎることで不憫な彼だが、いつか報われる日は来るのだろうか、、、
さて、このグエル君の周りだが、注目したいのは弟であるラウダ・ニールのほうである。
実は、所報のPVでエアリアルが宇宙でモビルスーツとつばぜり合いをするシーンが移っているのだが、この相手、弟君専用ダリルバルデである。
6話までにこのシーンは登場していないので、この先ジェターク寮がスレッタに戦いを挑んでくる展開(あるいはスレッタが申し込む?)があるということだ。
もしかしたら、兄専用ダリルバルデVS弟専用ダリルバルデ という激熱なバトルが見られるかもしれない。
ガンプラを買うなら今の内だぞ!!
④エラン・ケレス
やってくれたなガンダム畜生ォ!!!
先ほどのグエル君が道明寺なら、エラン君は花沢類。きっとエラン君もスレッタファンクラブの会員になって、「花よりGUND」として笑いを届けてくれるのだろう。
そう思っていました。今日までは。
5話にて衝撃の強化人間枠であることが明かされたエラン君だが、なんと6話でエラン君でさえないことが判明。本物のエラン・ケレスそっくりに顔を整形し、改造を施された名もなき少年であったことが判明した。
本当にこの作品は1秒で衝撃を与えるのが上手。本物の「エラン様」が出てきたとき、思わず口をあんぐりあけてしまった。スレッタを傷つけた怒りが雲散霧消するほどの衝撃。
が、我らがスレッタさんが彼の心を救い、スレッタとミオリネがベンチで彼を待っているシーンが、、!やった、やっぱり花沢類パターンや、、!
と思ったら死んだ。
、、、うん。そうだよね。これはガンダムだもんね。強化人間は幸せになれないってジンクスがあるし、、、ロザミイとかクエスとかね、前例があるもんねそうだよね、、。
これはガンダムだったんだ。俺たちは忘れていたんだ。なんだよ花よりGUNDって。ふざけんなよ。
という地獄が待っていたのだが、私はエラン君は生きているほうに掛ける。
何故なら直前のシーンで彼の開発主任であるベルメリアが彼の延命を希望するシーンがあったからだ。
尺の短い今作において、余計なシーンを挟む暇はない。エラン君はきっと生きていて、2期の仮面枠として復活するのである。グラハムやガエリオのように、、、!!!
でないと、でないとあまりに彼の人生に救いがなさすぎる。願掛けとしてガンダムファラクトのプラモデルをみんなで買おう。おい誰だ霊柩車とかいったやつは。
⑤プロスペラ
あんたほんとに何がしたいんだ、、、?
さて、ブラック母ちゃんことプロスペラであるが、確実に黒幕でありながら何をしたいのか一向に見えてこない。
結局GUNDを使いガンダムを生み出しているのは今の所ヴァナディースの生き残り二人が所属する組織だけであり、ヴィムによるデリングの暗殺を知りながらスレッタが止めてしまった当たり、デリングの殺害が目的というわけでもなさそうである。
その割にスレッタに完全な母親面(あえてそう呼ばせてもらう by心のグラハム)
で接しているので、愛があるのかないのか分からない。が、少なくとも彼女にとって本当の娘とはエアリアルであることは間違いない。
そう、エアリアルなのだ。
6話でも突然ユニコーンガンダムを思わせるプレッシャーを放ち、
エラン君にはエアリアルのガンビットが笑う子供に見えるというクソホラー演出を叩き込んできた。
本当になんなんだお前、、?何がしたいんだ、、?
最初はGUNDをばらまいて気づいたら「ほらね、君も結局GUNDに頼ってモビルスーツ作ってるでしょ。今のMSはGUNDありきなんだよ、ざまあ」したいのかと思っていたが、6話で「あなたはヴァナディースの意志を継いだのね」的な発言があったので、
少なくともプロスペラの目的は
①デリングへの復讐であり
②ヴァナディースの意志とは違う何か
を満たすものであるということになる。うーん、ちょっと思いつかない。思いつかないが、想像を絶する最悪の何かである気がしてならない。
さらに、有力なのはエリクトがエアリアルのAIとして組み込まれているという説だ。
エアリアルのOSがverE・S(エリクト・サマヤ)であることや、21年の経過であるにもかかわらずスレッタという当時のエリクトそっくりな子供を用意していることなどから、その可能性が非常に高まってしまった。
魂を乗せたガンダム、、、「私、生まれ変わったら鳥になりたいな、、、」というユニコーン三号機の幻聴が聞こえてきそうである。
しかし、最後の希望として、少なくともエアリアル君自身は心からスレッタの事を思ってくれている。それは「祝福」の歌詞や「ゆりかごの星」の描写から明らかである。
(謎の赤い目のシールがガンプラに付いてるのはなんなんですかね....)
頼む、君がこの混沌とした世界の唯一の希望だ、、、!もちろん、スレッタが紡いだ地球寮の仲間や、グエル、ミオリネとの絆も彼女自身を支えてくれることだろう。
頑張れスレッタ!負けるなスレッタ!
長文お付き合いいただき、ありがとうございました。また次の記事で!